メインコンテンツにスキップ
介護たくしーさーち
介助内容

階段介助が必要なときの確認ポイント

Published
作成日:
Updated
最終更新日:

エレベーターのない住まいや段差の多い経路で階段介助を頼むときに知っておきたい対応可否の考え方や必要なスタッフ体制、依頼前に伝えておきたい住まいの詳しい情報を具体例つきで解説します。

01階段介助が課題になりやすい理由

エレベーターのない集合住宅や、玄関までに階段がある戸建て住宅では、外出のたびに階段の昇り降りが発生します。自力で階段を使える方であれば大きな問題になりませんが、車椅子を使用している方や、歩行に不安のある方にとって、階段は室内から車までの移動の中でもっとも負担が大きく、リスクも高い区間です。

本記事では、この階段を伴う移動の介助について、対応可否の考え方と、依頼前に確認しておきたいポイントを整理します。階段以外の室内介助については室内から車までの介助を扱った別記事、複数人での介助が必要な場合については二人体制の介助を扱った別記事で詳しく解説していますので、あわせて確認してください。

階段介助は、他の介助場面と比べても事業所ごとの対応力の差が大きい分野です。対応できる事業所とできない事業所があること自体をまず理解したうえで、自分の住まいの状況に合った事業所を探していくことが大切です。

下の図は、階段介助の対応可否を左右する住まいの条件を整理したものです(階段介助の対応条件)。自宅の階段がどちらに近いかを把握しておくと、事業所に相談する際の見通しが立てやすくなります。

とくに古い賃貸物件や、後付けで建て増しされた住宅では、階段の形状が一般的な基準から外れていることもあります。そうした住まいに長く暮らしている方ほど、階段の状態を当たり前のものと捉えがちですが、外部のスタッフから見ると想定以上に対応が難しいと判断されることもあるため、客観的な視点で状況を伝える意識が役立ちます。

本人や家族が「これくらいなら大丈夫」と思っていても、実際に介助スタッフが確認すると別の判断になることもあります。思い込みで依頼を進めるのではなく、事業所側の専門的な視点も取り入れながら、安全に外出できる方法を一緒に探していく姿勢が大切です。

02階段介助として頼めること

対応できる事業所であれば、歩行が可能な方に対しては、手すりを使った昇降の見守りと支え、一段ごとのペース調整の補助などを頼むことができます。杖を使用している方であれば、杖の受け渡しや、体を支えながらの付き添いも一般的な対応範囲に含まれます。歩行器を使用している方の場合は、階段の前で歩行器を折りたたみ、代わりに手すりと介助者の支えを使って昇降するという方法が取られることもあります。

車椅子を使用している方の場合は、より専門的な対応が必要になります。車椅子ごと持ち上げて階段を昇降する方法、あるいは階段昇降機と呼ばれる専用の用具を使う方法などがあり、いずれも二人以上のスタッフによる対応が基本となります。車椅子ごとの持ち上げは、利用者の体格やスタッフの体力、階段の幅や角度によって可否が変わるため、すべての事業所が対応できるわけではありません。

階段昇降機を保有している事業所は限られており、保有していても、階段の幅や踊り場の形状によっては使用できない場合があります。この用具を使った介助を希望する場合は、対応可能な事業所を探すこと自体が最初のステップになります。問い合わせの際は「階段昇降機を保有しているか」「自宅の階段幅で使用できるか」の両方を確認すると、無駄足を防げます。

歩行が可能な方であっても、下りの階段は上りよりも足元への負担が大きく、恐怖心を感じやすい場面です。介助スタッフが一段先に立って支える、後ろから体を支えるなど、階段の向きや利用者の状態に応じて立ち位置を変える対応をしてくれる事業所もあります。こうした細かい配慮があるかどうかも、利用してみないとわからない部分であるため、初回利用時の様子を見ながら継続の可否を判断するとよいでしょう。

03対応可否を左右する住まいの条件

階段介助の対応可否は、階段の物理的な条件に大きく左右されます。階段の幅が狭い、踊り場がなく直線的に続いている、手すりがない、照明が暗いといった条件は、いずれも介助の難易度を上げる要因です。逆に、幅が広く緩やかな傾斜で、適切な位置に手すりが設置されている階段であれば、比較的スムーズに介助できることが多くなります。

集合住宅の共用階段の場合、管理規約によって外部の用具の持ち込みや使用に制限があることもあります。階段昇降機のような大きな用具を使う場合は、事前に管理組合や大家に使用の可否を確認しておく必要があるかもしれません。この確認を怠ると、当日になって使用できないことが判明し、予定していた外出ができなくなるリスクがあります。

利用者の体格やその日の体調も、対応可否を判断する重要な要素です。体重が重い方や、体幹の保持が難しい方は、二人体制でも安全な介助が難しいと判断されることがあります。この場合、階段介助自体を見直し、住宅改修による段差解消や、そもそも階段のない住まいへの転居といった、より根本的な対策を検討する必要が出てくることもあります。判断は事業所ごとの基準やその日の体調によっても変わるため、「以前は対応できたのに今回は難しいと言われた」というケースも起こり得ます。状態の変化を感じたら、早めに事業所へ相談しておくと、代替手段への切り替えもスムーズです。

階段の折り返し部分(踊り場)の広さも見落とされがちなポイントです。踊り場が狭いと、車椅子や介助スタッフの向きを変える動作がしにくく、直線階段よりも余計に時間がかかることがあります。逆に踊り場が広く確保されている住まいでは、途中で一息つきながら安全に昇降を進められるため、同じ段数でも負担の感じ方が変わってきます。

階段の材質も、対応可否に関わる要素のひとつです。木製の階段は経年劣化で滑りやすくなっていることがあり、タイル敷きの階段は雨天時に特に滑りやすくなります。長年住んでいる住まいほど、こうした劣化に気づきにくいこともあるため、一度客観的な視点で階段の状態を見直しておくと、思わぬ危険に気づけることがあります。

04階段介助を断られる場合の考え方

すべての介護タクシー事業所が階段介助に対応しているわけではなく、安全に配慮した結果として、対応をお断りするケースも少なくありません。これは、事業所側の対応力不足というよりも、無理な介助によって利用者やスタッフが怪我をするリスクを避けるための、やむを得ない判断であることが多いです。

階段介助を断られた場合の選択肢としては、階段昇降機を保有する専門の事業所を探す、住宅改修(手すりの設置、簡易スロープの設置など)によって階段を使わずに済む経路を作る、あるいは福祉用具のレンタルを活用するといった方法があります。介護保険を利用している場合、住宅改修費の支給制度を使える可能性もあるため、ケアマネジャーに相談してみる価値があります。

また、階段介助が必要な区間だけを訪問介護のホームヘルパーに担当してもらい、階段を降りた後の移動を介護タクシーに引き継ぐという分担方法も考えられます。ひとつの事業所だけで全てを完結させようとせず、複数のサービスを組み合わせる発想を持つと、選択肢が広がります。近隣に住む家族や友人に、階段部分の介助だけを手伝ってもらうという方法を組み合わせている家庭もあります。

断られた経験があると、「もう介護タクシーは使えないのではないか」と諦めてしまう方もいますが、対応可能な事業所や方法が見つかるケースも少なくありません。一つの事業所の回答だけで判断せず、複数の事業所に相談してみる、地域包括支援センターに情報を求めるといった行動が、選択肢を広げる第一歩になります。近隣の福祉用具レンタル事業者に相談すると、階段昇降機の取り扱いがある介護タクシー事業所を紹介してもらえることもあります。

05依頼前に伝えておきたい情報

階段介助を依頼する際は、階段の詳しい状況を事前に伝えることが欠かせません。階段の段数、幅、傾斜の急さ、踊り場の有無、手すりの有無、照明の明るさといった物理的な情報に加えて、利用者の体格(身長・体重の目安)や、普段の移動能力(自力で歩けるか、支えが必要か、車椅子が必要か)も具体的に共有しておきましょう。

可能であれば、階段の写真を撮って事業所に送ると、電話だけで説明するよりも正確に状況が伝わります。とくに車椅子ごとの昇降を依頼する場合は、車椅子の重量や折りたたみの可否も重要な情報になるため、忘れずに伝えておく必要があります。

また、階段介助にかかる時間は、通常の乗降介助よりも長くなる傾向があります。当日の予定を立てる際は、この所要時間の違いを見込んで、余裕を持ったスケジュールを組んでおくことをおすすめします。とくに通院など時間の決まった用事がある場合は、階段介助にかかる時間を逆算して出発時刻を決めるとよいでしょう。時間に余裕がないと、介助スタッフも急いで対応せざるを得なくなり、結果的に安全性が下がってしまうこともあるため、多少の余裕を持った予定を組むことが望ましいです。予約の際に「階段介助あり」と明記しておくと、事業所側のスケジュール調整にも反映されやすくなります。

伝える情報は、初回の依頼時にまとめてメモにしておくと、以降の利用がスムーズになります。段数や手すりの位置といった変わりにくい情報と、その日の体調や車椅子の有無といった変わりやすい情報を分けて整理しておくと、依頼のたびに一から説明する手間を減らせます。同居家族が複数いる場合は、このメモを共有フォルダやメモアプリで管理しておくと、誰が予約の連絡をしても同じ情報を伝えられます。

06安全に配慮した介助のために

階段介助は、他の介助場面と比べても事故のリスクが高い作業です。安全に行うためには、スタッフの人数を無理に減らさない、天候や照明の条件が悪いときは実施を見合わせる判断も含めて事業所と相談する、といった姿勢が重要になります。利用者や家族の側も、「今日は無理をせず延期する」という選択肢を持っておくことが、結果的に安全な利用につながります。

冬場の凍結や雨天時の濡れた階段は、通常時よりも滑りやすくなり、介助の難易度が大きく上がります。天候によっては、その日の外出自体を見直す判断も必要になるため、事業所との連絡体制(当日の朝に状況を確認するなど)を整えておくと安心です。

利用者本人の不安が強い場合、階段の昇降そのものが心理的な負担になることもあります。急かさず、声をかけながらゆっくり進める、休憩を挟みながら進めるといった配慮ができる事業所かどうかも、選ぶ際のひとつの目安になります。初めて依頼する事業所であれば、事前の電話でこうした配慮について尋ねてみることで、対応の姿勢をある程度確認できます。実際に利用した後の様子を家族が確認し、継続利用するかどうかを判断するのもよい方法のひとつです。

照明についても見落とされがちな安全要素です。日中は問題なく見えていた階段も、夕方以降や早朝の薄暗い時間帯には足元が見えにくくなることがあります。外出の時間帯によっては、懐中電灯や足元灯を用意しておく、照明のスイッチの位置を確認しておくといった準備が、思わぬ転倒を防ぐことにつながります。停電時など不測の事態を想定し、非常用の照明の場所を家族間で共有しておくことも、日頃からの備えとして役立ちます。

07ケアマネジャーと連携した長期的な対策

階段介助が日常的に必要な状況は、一時的な工夫だけでなく、長期的な視点での対策も検討する価値があります。ケアマネジャーに相談すると、住宅改修費の支給制度や、福祉用具のレンタル、より階段の負担が少ない住まいへの住み替えなど、幅広い選択肢の中から状況に合った対策を一緒に考えてもらえます。

介護保険の住宅改修費支給制度では、手すりの設置や段差の解消などの改修が対象になる場合があります。制度の詳細や対象となる工事の範囲は自治体や個々の状況によって異なるため、利用を検討する場合はケアマネジャーや自治体の窓口に相談し、正確な情報を確認してください。

階段介助に対応できる介護タクシー事業所を探すこと自体も、地域によっては簡単ではありません。ケアマネジャーは地域の事業所の対応状況をある程度把握していることが多いため、階段介助が必要になった段階で早めに相談し、選択肢を確保しておくことをおすすめします。

身体機能は時間とともに変化していくため、今は自力で階段を昇り降りできていても、将来的に介助が必要になる可能性を見据えて、早めに情報収集をしておくことも一つの備えになります。ケアプランの定期的な見直しのタイミングで、住まいの環境や外出手段について話題に出しておくと、状況が変化した際にもスムーズに対応を検討できます。家族だけで抱え込まず、専門職の知見を借りながら、無理のない外出手段を継続的に見直していく姿勢が、長い目で見て負担の少ない生活につながります。

FAQ

このガイドのよくある質問

対応できる事業所は限られています。車椅子ごとの昇降には二人以上のスタッフや専用の用具が必要になることが多く、すべての事業所が対応しているわけではありません。依頼前に、車椅子の重量や折りたたみの可否、階段の幅や段数、踊り場の有無を具体的に伝えたうえで、対応可能な事業所かどうかを個別に確認してください。
階段昇降機を保有する事業所を探す、住宅改修で階段を使わない経路を作る、訪問介護と組み合わせて対応するなど、いくつかの選択肢があります。無理に一つの事業所で完結させようとせず、ケアマネジャーに相談しながら、複数のサービスを組み合わせる方法を検討するとよいでしょう。地域包括支援センターへの相談も有効です。
管理規約によって、共用部での大型用具の使用に制限がある場合があります。使用を希望する場合は、事前に管理組合や大家に確認しておく必要があります。確認を怠ると当日使用できないことが判明する可能性があるため、依頼を決める前の早い段階で問い合わせておくことをおすすめします。賃貸の場合は仲介会社への確認も忘れずに行いましょう。
対応できる場合もありますが、階段が滑りやすくなる悪天候時は、安全のため事業所の判断で実施を見合わせることもあります。安全を最優先する対応であるため、当日の天候によっては予定を変更する可能性があることを念頭に置き、事業所との連絡体制を整え、代替日や延期についての考え方も事前によく相談しておくと安心です。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

Related

あわせて読みたいガイド

FREE CONDITION CHECK

ガイドの内容をもとに、確認事項を整理できます

AIコンシェルジュは準備中です。 公開までは、検索での絞り込みと、各事業所ページからの問い合わせをご利用ください。

事業所を探す気になる事業所へ直接問い合わせ