エレベーターのない集合住宅や、玄関までに階段がある戸建て住宅では、外出のたびに階段の昇り降りが発生します。自力で階段を使える方であれば大きな問題になりませんが、車椅子を使用している方や、歩行に不安のある方にとって、階段は室内から車までの移動の中でもっとも負担が大きく、リスクも高い区間です。
本記事では、この階段を伴う移動の介助について、対応可否の考え方と、依頼前に確認しておきたいポイントを整理します。階段以外の室内介助については室内から車までの介助を扱った別記事、複数人での介助が必要な場合については二人体制の介助を扱った別記事で詳しく解説していますので、あわせて確認してください。
階段介助は、他の介助場面と比べても事業所ごとの対応力の差が大きい分野です。対応できる事業所とできない事業所があること自体をまず理解したうえで、自分の住まいの状況に合った事業所を探していくことが大切です。
下の図は、階段介助の対応可否を左右する住まいの条件を整理したものです(階段介助の対応条件)。自宅の階段がどちらに近いかを把握しておくと、事業所に相談する際の見通しが立てやすくなります。
とくに古い賃貸物件や、後付けで建て増しされた住宅では、階段の形状が一般的な基準から外れていることもあります。そうした住まいに長く暮らしている方ほど、階段の状態を当たり前のものと捉えがちですが、外部のスタッフから見ると想定以上に対応が難しいと判断されることもあるため、客観的な視点で状況を伝える意識が役立ちます。
本人や家族が「これくらいなら大丈夫」と思っていても、実際に介助スタッフが確認すると別の判断になることもあります。思い込みで依頼を進めるのではなく、事業所側の専門的な視点も取り入れながら、安全に外出できる方法を一緒に探していく姿勢が大切です。

